Monthly Archives: 4月 2016

274月/16

広島県内の空き家問題(14)

広島県内の各自治体が直面する空き家の適正管理について、それぞれの組織内部の課題は次のようになっています(広島県空き家対策推進協議会による)。なお、適正管理に関する課題はないと答えた自治体はゼロでした。

(1)関係課が個別対応、包括対応ができない・・・70パーセント(16市町)

(2)私有財産への関与にかかる庁内合意が不十分・・・65パーセント(15市町)

(3)適正管理に関する情報や活用ノウハウがない・・・43パーセント(10市町)

(4)所有者を指導できる根拠(条例)がない・・・39パーセント(9市町)

(5)税情報が活用できず、所有者を特定できない・・・30パーセント(7市町)

(5)適正管理を指導できる職員・ノウハウがない・・・30パーセント(7市町)

(7)財政上の制約から取り組むことが困難・・・17パーセント(4市町)

このように、各自治体が空き家問題の解決に頭を抱えている様子が垣間見えます。解決に向けて手探り状態が続いていると言えばいいでしょうか、いずれにしても根本的な解決の目処を持っている自治体はないようです。

空き家は私的所有物であり個人財産ですから、公的機関が踏み込む限界があるのです。だからこそ、空き家の所有者は責任を自覚することが求められていると言っていいでしょう。

空き家とはいえかつては人が暮らしていた空間です。歴史や思い出がたくさん詰まっていたりします。遠方で住んでいるので、なかなか帰省できず、やむを得ず放置状態になっている所有者のかたは、そんな思いを共有して、大切に管理をしてくれる信頼できる専門業者に依頼することも求められている時代なのではないでしょうか。

 

 

254月/16

広島県内の空き家問題(13)

空き家対策の緊急度について、「非常に高い」と「やや高い」を合わせると78パーセント(18市町)の自治体に達することが広島県空き家対策推進協議会のデータから分かります。

詳細に見ると、「非常に高い」と「やや高い」がそれぞれ39パーセント(それぞれ9市町)、「やや低い」は22パーセント(5市町)、「低い」はゼロです。

空き家がじわりじわりと増えていくことへの危機感を80パーセント近い自治体が感じている様子が伝わってきます。だからこそ各自治体が対策会議を開いたりしているのです。とはいえ、空き家管理は自治体の手に余る様子がうかがえます。

このあと詳細に触れていきますが、空き家は個人の所有物つまり私有財産ですので、公的機関が積極的な介入をするのは難しいようです。

ということは、やはり広島県内に空き家を持つ所有者の責任が大きいと言わざるを得ません。空き家の管理や巡回を専門業者に任せている人もいますし、これから検討しようとしている人、全く考えていない人など、さまざまです。

インターネットで検索して、「広島の実家が空き家になっているんだけど、管理や巡回をしてくれるいい専門業者はないだろうか」と調べている人は非常に良心的だと言えます。空き家の管理に関しては、最終的にはそれぞれの所有者の良心の問題になるのかもしれません。良心を持って実家を大切に管理しようと思う人が一人でも増えることを祈っています。

224月/16

広島県内の空き家問題(12)

空き家の問題は近隣住民や地域社会にとっても問題ですが、所有者はもっと大きな問題や負担を抱えているようです。

広島県空き家対策推進協議会によると、空き家の所有者が抱えていると思われる「適正管理」に関する問題として、県内の市町は下記のような判断をしています。

(1)所有者の高齢化や遠方居住・・・96パーセント

(2)所有者の経済的理由・・・87パーセント

(3)所有者不明や相続人多数・・・65パーセント

(4)近隣への迷惑意識の希薄化・・・35パーセント

(5)立地条件や建物の状況・・・13パーセント

ちなみに、適正管理に関する課題はないと答えた市町はゼロでした。圧倒的に多数を占めるのが上位の2つですが、できれば1位の「所有者の高齢化や遠方在住」は「高齢化」と「遠方在住」を分ける選択肢であれば状況はもっとはっきり見えてきたでしょう。

4位の「迷惑意識の希薄化」が比較的少ないのは、迷惑意識を持っている所有者がそれなりに多いということです。迷惑意識を持っているからこそ、空き家の管理を何とかしなければと考えるわけで、この意識を持つことは空き家管理の出発点と言ってもいいでしょう。近隣への配慮を考えるのは人間としての道徳なのかもしれません。そういう高い意識を持った所有者が巡回や管理、サポートを専門業者に依頼しているのです。

204月/16

広島県内の空き家問題(11)

空き家が招く問題や危険についてのデータ(広島県空き家対策推進協議会による)があります。「空き家問題の具体的内容」を問うたところ、

(1)家屋の倒壊、屋根や外壁等の落下や飛散=96パーセント

(2)雑草の繁茂、樹木の越境=91パーセント

この2つが双璧を成すことが分かりました。

続いて以下の通りです。

(3)良好な景観を阻害している=61パーセント

(4)まちづくりや地域の活性化に支障を来している=48パーセント

(5)ゴミの不法投棄、犬猫の糞尿等による異臭=43パーセント

(6)不審火等による火災や延焼事故=26パーセント

(7)不審者の侵入や不法滞在=22パーセント

空き家問題の具体的内容を見てみると、(1)や(2)はもとより、(3)や(5)、(7)も、定期的な巡回で予防することができるのではないでしょうか。空き家を放置していることが近隣に不安や不快感を生じさせているように見えます。

ということは、定期的な巡回や管理をすることで、具体的問題をかなりの程度解決できるわけです。空き家だけれど、所有者から委託された管理者が目を光らせ、適宜適当な処理をしていれば、近隣が抱える不安や不快感はかなり低減させることができるはずです。

問題は、空き家に対して誰も何もしないことなのです。

184月/16

広島県内の空き家問題(10)

空き家に関する所有者や地域住民からの相談・苦情などについて、「横ばい」(11市町・48パーセント)と「増加している」(8市町・35パーセント)を合わせると、19市町(83パーセント)に達することが分かりました=広島県空き家対策推進協議会による。

どんな相談や苦情なのか詳細は不明ですが、この状況は決して好ましいことではないと言えます。

空き家の所有者が同じ地域に別の住まいを構えて生活していれば、「苦情」の雰囲気を感じ取る機会があるでしょうし、「何とかしなければならない」と思う可能性が高いはずです。しかし、いろいろな事情で別のところで離れて暮らしている場合、まさか自分の実家や空き家が「苦情」の対象になっているとは想像できないかもしれません。

地域の人は顔見知りだったりすると直接「苦情」を言いにくいものです。だからこそ「苦情」は役所に行くわけです。

空き家をそのまま放置している所有者は、その空き家のご近所さんと顔見知りのことが多いはずで、そういう人たちの心配を和らげる対策を講じることが早急に求められる時代なのです。

空き家を持っている人の責任というかマナーというか、そういうものを背負っていることに気づく必要があるのかもしれません。

154月/16

広島県内の空き家問題(9)

広島県空き家対策推進協議会によると、空き家問題を現在抱えている自治体は16市町(70パーセント)にのぼります。近い将来問題が起きる懸念を持つ自治体は7市町(30パーセント)もあり、100パーセントの自治体が空き家問題に直面しているか直面すると感じていることが分かります。

日本全体が人口減少していく時代を迎え、広島県も例外ではありません。

空き家問題の解決には人口増や就職先の確保などが考えられますが、容易に手を打てるものではない、効果的な方策が簡単に見るかるとは思えない、と誰しも感じる話です。

問題を複雑にしているのは空き家が個人の所有物すなわち財産であることです。個人の財産に対して第三者が勝手なこと、例えば取り壊すなどできる余地は現時点ではありません。

広島県内の全ての自治体が空き家問題を抱えるか、抱えそうな状況にありながら、効果的な方策を打ち出すことができない理由はここにあります。だからこそ空き家の所有者は自分から率先して何らかの対策を講じることが求められていると言えます。

134月/16

広島県内の空き家問題(8)

総務省の調査によると、65歳以上の人口の割合が高い自治体は空き家率が高い傾向があるようです。

広島県内で高齢化率(平成22年調査)と空き家率(平成25年調査)が最も高いのは世羅町です。高齢化率42.8パーセントに対して空き家率24.4パーセントです。

この相関関係は想像しやすいでしょう。高齢化率が高いということは若い世代が少ないということで、その若い世代は恐らくほかの地域や広島県外に出ていることが考えられます。仕事が少ない地方ではよく見られる光景です。地元に残りたいと思っても生活をしていくことが難しい状況では、残ることができません。

日本の人口はすでにピークを過ぎ、これから減り続けていきます。高齢化はさらに進んでいきます。となると、空き家率はさらに上がっていくことになります。

だからといって実家を空き家のまま放置しておくのはつらいものがありますし、出火などの事態が起きれば周辺に迷惑をかけてしまうことになります。

このサイトをご覧のかたは、広島県内のご実家を空き家にしていて、どう管理すればいいのか、何かいい対策はないだろうかとお探しでしょう。一番いいのは実家に戻って生活することなのですが、現実問題難しい。となると、誰かに管理してもらうしかないのです。

 

114月/16

広島県内の空き家問題(7)

最近5年間の空き家率の増加について総務省の調査があります。それによると、県内で最多が北広島町、そして海田町、世羅町と続きます。

全国平均は0.4、広島県平均は1.3という数字を念頭に以下のランキングを見てください。

(1)北広島町・・・8.7

(2)海田町・・・6.5

(3)世羅町・・・6.0

(4)江田島市・・・5.4

(5)呉市・・・5.0

(6)熊野町・・・4.6

(7)大竹市・・・4.5

(8)安芸高田市・・・3.8

(9)府中市・・・3.7

(10)東広島市・・・2.8

ちなみに広島市は0.4で15位です。

こうして見ると、広島県内の空き家率の増加は、変な表現かも知れませんが、県内全域にまんべんなく見られることが分かります。ということは地域性がないとも言えるわけですから、効率的な対策を立てるのは大変難しいと認めざるを得ません。

最終的に、空き家の持ち主がどうするかという個人的な問題になるわけです。

064月/16

広島県内の空き家問題(6)

自治体別の最近5年間の空き家の増加数(総務省の土地統計調査による)を見ると、呉市が最多です。次に広島市です。人口と空き家の増加数は比例するものかと思っていましたが、そうであるなら1位が広島市で2位が福山市になっているはずです。しかしこのデータを見る限りではそうではありません。

(1)呉市・・・7450

(2)広島市・・・4490

(3)東広島市・・・3520

(4)北広島町・・・950

(5)海田町・・・940

(6)江田島市・・・870

(7)大竹市・・・800

(8)府中市・・・740

(9)福山市・・・630

(10)尾道市・・・610

呉市の空き家増加数が突出していることが分かります。10位の尾道市は呉市に比べれば610軒と少ないように見えます。しかし、610という数字を例えば小学校や中学校、高校の人数で置き換えてみてほしいのです。610という数字を児童や生徒の人数と考えると、1つの学校全部に相当する数字であることが分かるでしょう。「610? たいしたことないね」とは言えないのです。それだけの空き家が増えた光景を想像していただきたいと思います。

私たちにできるのは、大事に管理をすることです。私たちはお預かりした空き家を毎月訪ねますので、その空き家に毎月人の出入りが生まれます。人の気配が出てくるだけでも全然違う光景になるのではないでしょうか。

044月/16

広島県内の空き家問題(5)

広島県内の空き家問題(4)で空き家率が高い自治体を挙げました。ここで、全国平均値と広島県平均値を挙げておきますので、比べてみてください。

まず全国平均値は13.5パーセント、広島県は15.9パーセントです。

(1)江田島市・・・27.5パーセント

(2)北広島町・・・26.1パーセント

(3)世羅町・・・24.4パーセント

(4)呉市・・・22.1パーセント

(5)安芸高田市・・・19.6パーセント

(6)竹原市・・・19.1パーセント

(7)庄原市・・・18.6パーセント

(8)府中市・・・18.3パーセント

(9)尾道市・・・18.2パーセント

(10)大竹市・・・17.9パーセント

(11)三次市・・・17.2パーセント

(12)三原市・・・16.3パーセント

(13)東広島市・・・16.3パーセント

(14)海田町・・・16.2パーセント

(15)熊野市・・・14.7パーセント

(16)広島市・・・14.1パーセント

(17)福山市・・・13.8パーセント

(18)廿日市市・・・11.1パーセント

(19)府中町・・・10.5パーセント

全国平均(13.5パーセント)を上回る自治体が17もあることが分かります。危機的と言っても大げさではない状況です。