Monthly Archives: 7月 2016

297月/16

空き家の管理は3つの「通」が重要

空き家を放置しておくと、どんどん痛んでいきます。痛みを少しでも抑えるためには3つの「通」が不可欠です。

何だと思いますか?

1つは「通風」の「通」です。風を通すことですね。旅行などでほんの数日家を留守にするだけで家の中の空気がほこりっぽくなったと感じた人は大勢いるはずです。空気を入れ換えることは重要なのです。

もう1つは「通電」の「通」です。電気を使うことです。電灯や冷蔵庫、テレビなど、室内には電気製品がたくさんあります。これらを全く使わないようにして電気代がかからないようにしたいものですが、実は電気を使うほうがいいのです。

3つめは「通水」の「通」です。水道管に水を流して、蛇口から水を出すことです。台所や洗面台、浴室の水を流すことで、水道管に停留する水を外に出すことができるのです。これも水道代がもったいないと思わないほういがいいでしょう。

電気や水道を人間にたとえれば血管のようなものです。血管に血がきちんと流れていることで体の隅々まで行き渡り、健康維持につながります。それと同じようなものなのです。

人が住んでいないと支出を節約したくなるものですが、空き家をさらに老朽化させないためには必要経費と割り切るべきでしょう。

277月/16

空き家と固定資産税

空き家を取り壊して更地にすると、一般的には土地の固定資産税がはねあがります。空き家が載っている土地と何もない土地(更地)では、土地にかかる税金が異なるのです。

となれば、何も空き家を取り壊して(取り壊すとなるとその費用がもっとかかります)更地にする必要はないという考え方をしても仕方がないところはあります。あくまでも空き家の持ち主の立場ですが。誰だって余計なお金は払いたくないものですからね。

これも空き家が増えている背景の1つだと言われています。

土地の固定資産税によって、土地の上に家を建てることを奨励したわけです。日本経済が右肩上がりの時代なら、土地に家を建てる人が大勢いました。しかしこれからは人口に比べて家が多すぎる時代を迎えます。空き家が増えるのは当然です。

こうなると、空き家を放置すると固定資産税を上げるという法律の登場を期待したくなります。しかし、そうなると「空き家」の定義が難しい。例えば「1年間誰も住んでいない家を空き家とする」と定義しても、盆暮れに数日泊まりに来ただけで「空き家」ではなくなってしまいます。「空き家」の線引きが難しいのです。

空き家を持っている人がせめて毎月定期的に掃除をしたり維持管理にやってきたりすれば、空き家問題の性質が少しは変わるかもしれません。そして自分ができない場合は、やってくれる専門業者に任せることです。

 

257月/16

空き家を子供に譲る場合

実家を空き家にしている理由の1つに、将来子供らに譲るつもりだという場合があります。その家をどうするか、そのまま住むのか、増改築するのか、リフォームするのか、その時に子供たちが決めればいい。それで取り壊すことをせずにそのまま置いてある、というわけです。

要するに判断を先送りするのですが、それは悪いことではありません。すぐに判断できないことっていっぱいあるものですから。判断に迷う場合はしばらく保留にするのは人間の知恵です。判断できる人が判断する日が来れば、すぐに結論が出るでしょう。拙速を控えるのは大事なことです。

しかし、だからといって空き家のまま放置していいかというと、それは別次元の話です。なぜならば、放置された空き家がいま問題になっているからです。人けのない空き家が隣にあるだけでけっこう不気味なものです。雑草が生い茂ってヤブ蚊が発生したりすると、近隣は迷惑な気持ちになってしまうでしょう。放火などの心配もあります。美観の点からも決して好ましい存在ではありません。

将来子供たちに譲る、すなわち相続させる気持ちがあるのなら、朽ちた実家を渡すのではなく、適度に維持管理された実家を渡す方が、渡される側にとってはありがたいのではないでしょうか。

227月/16

盆暮れの帰省で空き家の実家を使う

空き家問題の理由の1つに「普段の実家は空き家状態だけど、お盆や年末年始には実家に戻る」という人がけっこう大勢いるようです。その時期は都会に出ている人が古里に帰ってきて、友人や親戚と旧交を温めたり、お祭りに参加したり、墓参りに行ったり、という行事が全国的に実施されますから、空き家にしてある実家に泊まれば済みます。いつでも泊まることができる自分だけの宿と思えば、大変便利です。その際に掃除をすれば一石二鳥だと考えるのも仕方のないことでしょう。

しかし、空き家の所有者はそんなふうに悠長に思っていても、そのご近所さんや地域社会が同じように悠長に受け止めているとは限りません。なぜなら、近隣住民にとって空き家は盆暮れだけではない、1年365日のことだからです。

不審者の根城になるのではないか。シロアリが発生するのではないか。不審火が生じないか。伸び放題の草木で蚊が発生して迷惑だ。といった問題が目の前にあるからです。夜になっても電気が付かない空き家はけっこう不気味なもので、それだけで何となくいやなものです。

所有者はこうしたところまで考えられないというか、近隣が困っている様子が見えないようです。離れたところで暮らしていると、近隣の雰囲気を感じ取ることができないでしょうし、まさか迷惑をかけているとはこれっぽっちも思っていないでしょう。だから問題なのです。

実家を大切にするためには近隣との関係を良好に保つことが大事です。毎月定期的に巡回して維持管理をする専門業者に一度相談してみることをお勧めします。

207月/16

空き家になっている実家に仏壇がある場合

実家が空き家になってもそのままにしてある理由の1つとして、仏壇などご先祖様に関するものが置いてあるからだと言われています。空き家を壊してしまうとそれをどこに持って行くのかという問題が生じるわけです。だから実家に置いておくというわけです。確かにご先祖様にとって据わりがいいのは実家かもしれません。

であるならば、ご先祖様がいる実家の維持管理は最低限でもやるほうがいいでしょう。窓を開けて風を通して、家の中にこもった空気を新鮮な外の空気と入れ換えるだけで、全然違います。

ご先祖様を大切に思うその気持ちはとても大事なことで、日本人のDNAでもあります。だからこそ、ご先祖様の生活環境(?)も適切な状態にすることが大事ではないでしょうか。

空気がよどみ、かび臭くて、ほこりっぽくて、すえたにおいがする空き家に仏壇を置いておくのは、ちょっとかわいそういというか失礼というか申し訳ないというか、そんなふうに感じませんか。仏壇は単なるモノではなく、ご先祖様をまつる大切な場所です。だからこそ、その周囲の環境をよくすることは不可欠です。定期的にご先祖様のお墓の周りの草むしりをして、お墓を洗ってきれいにするのと同じです。

157月/16

尾道市や府中市、庄原市の取り組み

尾道市はNPO法人と連携して空き家の情報提供事業を、府中市は空き家を活用して中心部を活性化する事業を、庄原市は定住促進事業を、それぞれ実施してきました。多くの空き家を抱える自治体や空き家が増える自治体の問題意識は高く、それぞれの地域性を踏まえた空き家解消事業を展開しているのです。

地方の時代と言われて久しいのですが、広島県外を見ても魅力のある地域には都会から移住者が増えたり企業がサテライトオフィスを構えたりするまでになっています。地域の住民の力には限界がありますから、自治体が主体的になって生活面の整備をすることで成果を上げていたりするわけです。

だからといって、ほかの地域で成功した方法をそのまま持ってきてもうまく行くとは限りません。それぞれの地域の特徴に合わせたカスタマイズが必要です。とはいえ、自治体が一生懸命に取り組んでいることは知っておく必要があります。

そこまで自治体を動かしているのは空き家問題が深刻だからです。その深刻さを招いているのが空き家の所有者であることを、所有者はもっと自覚するほうがいいかもしれません。全ての所有者が責任を自覚して、対策を講じれば、空き家問題は決して難しい問題ではないと思うのですが、いかがでしょうか。

137月/16

大迷惑! 空き家でシロアリ発生

空き家は環境衛生上好ましくない問題を引き起こします。そのうちの1つがシロアリの発生です。

シロアリが発生したら木造住宅はすさまじい脅威にさらされます。コンクリートさえやられるのですから、人間の天敵の1つと言っていいでしょう。

それだけにシロアリの駆除は欠かせません。ところが、そのシロアリがご近所の空き家で発生していたら……。シロアリ駆除のために専門の業者が軒下に入ったりする必要がありますが、他人の家に無断で入るわけにはいきません。ご近所さんは深刻な事態に直面するわけです。これは実はすでに起きている実例です。

所有者が空き家を適切に維持管理しないと大変な損害を近隣に与えてしまう危険性があるという一例です。日本ではまだ訴訟沙汰になった例はないようですが、最悪の場合、空き家の適切な維持管理を怠ってシロアリをまき散らされたということで所有者に損害賠償を請求される可能性はゼロではありません。

そうなってしまってからでは遅いのです。いずれにしても遅かれ早かれ空き家の適切な維持管理はしなければなりません。それなら、ご近所さんとの間でトラブルが生じる前に空き家管理の専門業者に維持管理を委託しておくほうがいいのではないでしょうか。足踏みをしている場合ではないのです。空き家の所有者の責任を果たすことが求められています。

117月/16

親切なご近所さんの悩み

隣の家の家族と長年にわたって仲良くお付き合いしてきた80代後半のお年寄りがいます。その隣の家はとっくの昔に空き家になっているのですが、親切心から草を刈ったりしてきました。

ほったらかしの空き家なので草ボウボウ、そこから蚊が大量発生するのです。夏の時期は大変です。このほか、草を刈っているときにハチに刺されたことが何度かあるそうです。

空き家を放置するとご近所さんがどれだけ大変か、ということに所有者はもっと思いを致す必要があるように感じます。長年ご近所づきあいがあったのでそのお年寄りはただただ善意で“管理”をしてくれているのですが、実家を空き家にして県外で暮らしているお子さんたちはこの状況に気づいていない様子です。

ご近所さんの善意にも限界がありますし、すでに80代後半ですからこのあと何十年も善意を続けるのは難しいはずです。

ご近所さんの善意は黙々となされるもので、空き家の所有者はなかなか気づきません。まさか近隣の善意のおかげで空き家の環境が整備されているとは想像できないのかもしれません。

しかし、これはちょっと、いや、かなりマズいと思いませんか。

空き家の所有者の責任を真剣に受け止め、何らかの行動に出ることがご近所さんから求められているのです。

087月/16

空き家活用のための連携

空き家問題は自治体だけで解決できるものではありませんし、いろいろな意味で地域との連携が必要です。広島県空き家対策推進協議会によると、地域の民間団体などと連携しているのは7市町で、検討中が8市町、予定なしが8市町です。

連携先として挙げられているのが、自治会・自治振興区、NPO法人、地域起こし協力隊・集落支援員、住民有志です。空き家問題はその地域に影響を及ぼしますから、地域の人たちが関わっていくわけです。

このようになると、空き家の所有者にとっては大きなプレッシャーがかかってくるのではないでしょうか。荒野や離島の一軒家なら周囲を気にする必要はないでしょうが、そうではない場合ご近所さんの目や迷惑を考えざるを得ません。

空き家問題が所有者にとっても悩ましいのは、誠実な所有者であればあるほど「周囲に迷惑をかけていないだろいうか」と気になるからです。実際に迷惑をかけている可能性があるとしても、「迷惑をかけていますか?」などとご近所さんに聞くのははばかられます。ご近所さんもわざわざ言いたくないものです。

ご近所さんに言われてしまうと、そうと分かっていても何となく気分がスッキリしないかもしれません。であればなおさら、所有者が早めの対応をするのが賢明でしょう。言われる前に対応をすることで、双方が気持ちよく接することができるからです。

どんなことでも人に言われてやるのは気持ちが優れません。だからこそ、言われる前にやる。ご近所さんから「空き家、何とかしてください」と言われる前に専門業者に維持管理を依頼するなど具体的な対応をして、ご近所さんに「専門業者が定期的に見回りにきますから」とひと声かけることができれば、双方にとって好ましい状況を得ることができるのではないかと思います。

067月/16

三次市での空き家の活用

広島県などが主催するコンクールに「空き家活用部門」があり、三次市の空き家を使って菓子屋を開業しました。木造2階建ての築100年、蔵つきの空き家を500万円で買い、800万円を投じてリフォーム、店舗を増築して平成26年に開業したのです。

三次市では築100年の古民家を77万円で買い、400万円のリフォーム費をかけて「みんなが集う古民家」として貸し出すプランも実施されました。これも補助金が出ています。

築100年というと本当に古い建物です。しかしそれが「古民家」として価値が高くなっているのです。古いものに光が当たるようになったということでしょう。米国は新しいものが好きな国ですが、欧州では古いものを大事にします。英国では「このサジはひいおばあちゃんの時代のもの」などと代々大切にしているそうですが、この価値観を日本が理解するようになったということかもしれません。

だからといって古ければいいというわけではないでしょう。特に家屋の場合、空き家を放置すると老朽化が進みます。将来古民家として活用してもらいたいなどの希望がある場合はなおさら、今の適切な維持管理が必要です。

三次市の例のほかにも古民家を活用して喫茶店を開業している人もいます。古いものは価値がある、そんな時代になってきたのだとしたら、大切にしておくことが必要です。